- 学名…Hibiscus sabdariffa L.
- 和名…ローゼルソウ(ローゼル草)
- 別名…ローゼリソウ、ロゼリソウ
- 科名…アオイ科
- 属名…フヨウ属
- 原産国…アフリカ西部
- 花色…黄色、ピンク(果実は赤、白)
- 草丈…100㎝~200㎝
- 日照…日なた
- 難易度…
- USDA Hardiness Zone:9 to 11
ローゼルとは
ローゼルは、熱帯アフリカ原産のアオイ科フヨウ属の一年草です。
果実に心地よい酸味があり、ハイビスカスティーやジャムなどの原料として利用されています。
世界中の熱帯、亜熱帯地域で広く栽培されており、栽培逸出したものがアメリカ大陸、アジアなどの熱帯地域で帰化植物として定着しています。
熱帯植物のため、耐寒性はありません。
和名はローゼルソウ。
ロゼリソウとも呼ばれます。
ローゼルの花期は9月~11月。
花期になると、茎の上部の葉腋に、オクラの花に似た透明感のある花を咲かせます。
花は直径6~10㎝程度の5弁花です。
▼ローゼルの花
花弁は淡い黄色をしており、基部が暗赤色となります。
※淡いピンク色の花を咲かせる品種もあります。
▼淡いピンク色のローゼルの花
雄しべは花糸が癒合して筒状になっており、先端に雌しべの柱頭が付きます。
雌しべの柱頭は5裂しています。
▼ローゼルの雄しべと雌しべ
花は半日で萎れてしまいますが、花期の間は次々と開花します。
萼は杯状で深く5裂しており、裂片は長さ1~2㎝の三角形です。
萼の下には掌状に8~12裂した副萼があります。
※副萼は萼状総苞片(がくじょうそうほうへん)とも呼ばれます。
萼と副萼は共に赤~赤紫色。
▼ローゼルの萼と副萼
果実は直径約1.5㎝の卵状球形の蒴果(さくか)。
※蒴果(さくか)…乾燥して裂開し、種子を放出する果実のこと。
複数の心皮からなり、熟すと心皮と同数に裂ける。アサガオ、ホウセンカ、カタバミなどに見られる。
萼と副萼は果実の成長と共に肥大して肉質となります。
▼ローゼルの肥大した萼と副萼
▼ローゼルの果実
果実は熟すと裂け、中の種子が零れます。
種子は腎形。
▼ローゼルの種子
葉は互生し、茎の下部では卵形、丈夫では掌状に3~5裂します。
裂片は長さ2~8㎝、幅0.5~1.5㎝の披針形で、縁に鋸歯があります。
葉柄は長さ2~8㎝。
▼ローゼルの葉の様子
※葉の形は品種により異なります。
▼幅の広い葉を持つローゼル
茎は紫色で直立し、草丈1~2mに成長します。
暗赤色の茎と緑の葉、鮮やかな花と果実のコントラストが美しい植物です。
▼たくさんの花を咲かせるローゼル
果実が赤くならない白ローゼルも流通しており、こちらは茎も赤くありません。
▼白ローゼル
耐暑性が高く育てやすい植物です。
熱帯植物のため耐寒性はなく、霜に当たると枯れてしまいます。
植え付け時期が遅れると、果実がしっかりと熟さない内に枯れてしまうことがあるので注意が必要です。
ローゼルの収穫
花が萎れて落ち、萼と副萼が閉じて果実がプックリとしてきたら収穫できます。
▼収穫時期のローゼル
ハーブとして利用するのは、外側の萼と副萼の部分です。
中の果実を取り除いてジャムにしたり、乾燥させてハイビスカスティーにします。
▼ローゼルのジャム
ローゼルにはビタミンCやクエン酸、鉄分、バイオフラボノイドなど多くの栄養成分が含まれ、新陳代謝の促進や疲労回復に効果的です。
美しい赤色のハイビスカスティーは、独特の酸味が特徴です。
かなり酸味が強いので、ハチミツを入れて頂くのがオススメです。
ローゼルの近縁種
ローゼルが属するフヨウ属(ハイビスカス属)は、熱帯・亜熱帯地域を中心に約250種が分布しています。
観賞用として栽培されているフヨウ属の代表的な植物には、本種の他以下のようなものがあります。
ローゼルの育て方
栽培環境
日当たりの良い場所が適しています。
日照時間が足りないと、花が咲かない事があるので注意して下さい。
短日植物であるローゼルは、日照時間が短くなると花芽を作る性質があります。
夜間に電灯の当たる場所などで育てると、花芽が付かないことがあるので注意して下さい。
※連作障害が出やすい植物なので、昨年と同じ場所には植えないで下さい。
水やり
庭植えの場合は、乾燥が続くようなら水やりをして下さい。
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと。
肥料
庭植えの場合は、元肥として用土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおきます。
追肥は、6月~11月の生育期に緩効性肥料を月に1回程度、施して下さい。
鉢植えの場合も、6月~11月の生育期に、緩効性肥料を月に1~2回程度、置き肥します。
植え付け
適期は5月~6月です。
庭植えの場合は、用土に腐葉土をたっぷりと混ぜ込んで水はけの良い環境を作って下さい。
さらに元肥として完熟堆肥などを混ぜ込んでおきます。
2株以上を植える場合は、株間を狭く植え付けると(60㎝程度)、互いに支えあって風で倒れるのを防ぐことが出来ます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土を使うか、赤玉土(小粒)6・腐葉土4などの配合土に緩効性化成肥料を混ぜ込んで土を作ります。
植え付けの時期が遅れると、果実が熟す前に寒さで枯れてしまうので注意して下さい。
支柱立て
草丈が高くなります。
必要に応じて支柱を立てて下さい。
増やし方(種まき)
種まきで増やすことが出来ます。
種の採取
種は花後にできる果実の中にあります。
種が収穫できるのは花が咲いてから45~60日経過してからです。
未熟な種では発芽しないので、しっかりと熟した種を採取して下さい。
採取した果実は、十分に乾燥させてから中の種を取り出し、封筒やビンなどに入れて涼しい場所で保管して下さい。
種まき
適期は4月~5月です。
発芽温度は20℃前後と高めです。
十分に暖かくなってから種を蒔くか、早目に蒔いて室内の温度が管理できる場所で育てます。
種はポット蒔きで、覆土は種が隠れる程度。
水を切らさないように管理したら1~2週間程度で発芽します。
しばらく育苗し、ポットに根が回ったら根鉢を崩さないように定植して下さい。
病気・害虫
アブラムシ、ハダニ
アブラムシや、ハダニが発生することがあります。
生育に影響するので、見付け次第駆除して下さい。